「対比」とは2色が影響しあうことにより見え方に変化が起こる心理的効果で、主なものに以下の4種類があります。

◆明度対比
ある色の明度が、その色の周りにある別の色の影響を受けて、本来の明るさよりも明るく見えたり、暗く見えたりする現象です。

⇒明度対比の例。前面にある四角形や円形の図は同じものですが、右図の方が背景が暗いため、中の図形が明るく見える。


◆彩度対比
ある色の彩度が、その色の周りにある別の色の影響を受けて、本来の彩度よりも高く見えたり、低く見えたりする現象です。

⇒彩度対比の例。前面にある四角形や円形の図は同じですが、右図の方が背景が低彩度なので、中の図形が鮮やかに見える。


◆色相対比
隣接する色同士が影響しあって、見え方が少し変わって見える現象です。例えば同じ橙色(ダイダイイロ)をそれぞれ赤の背景、黄色の背景においたとしても、赤を背景にした橙色は黄色を強く感じます。一方、黄色を背景にした橙色は赤みを強く感じる色に見えます。

⇒色相対比の例。前面にある四角形や円形の図は同じですが、左図の図形からは黄色を強く感じます。


◆縁辺対比
色と色の接する縁の部分で起こる対比現象です。隣接する部分では隣の色との明度差が強調されて縁のあたりだけ明度対比が起こって見えます。
縁辺対比

⇒縁辺対比の例。明度の低いグレーと隣接している個所は明度の高いグレーと隣接している個所よりも、明度が高く見える。

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